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更新の履歴

 14/01/04
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 HPを更新しました。
12/05/19

Googleプレイスというサービスがあります。たまたま当院の【木村クリニック泌尿器科】を見たところ、地図はGoogle mapに正確に表示されていたのですが、ウェブサイトがhttp://www.j-hinyoukika.net/と書き換えられていました。すまいるねっと@泌尿器科事典への誘導リンクを張られていたことが分かりました。医療機関の情報は株式会社 ウェルネスから提供されたと記載されていました。確認はしていませんが、他にもこのような誘導リンクがあるのかもしれません。

Googleに事情を連絡し、やっと今日解決したことを確認しました。違法なリンクに気付いたのが4月16日でしたので一ヶ月かかったことになります。

11/10/19 カウントcountは1999年11月4日以降です。
11/02/13 2010年11月17日NHKのためしてガッテンで「600万人を襲う!謎の不元気症候群」が放映されました。「LOH症候群」あるいは「男性更年期(症候群)」ですが、その後たくさんの方が来院されました。メディアで取り上げられた場合の影響などについて分析しています。後日その内容をご報告する予定です。
10/10/02

パイプカット手術後に妊娠したという裁判の記事が某新聞に掲載されていました。精管結紮術(パイプカット)についてはHPにその辺の事情を記載していますので、参考にしてください。
これまで何回か手術後に妊娠してしまったという質問を受けたことがあります。質問した方々は手術前に将来起こりうる精管の再開通について説明を受けていないようでした。何れも訴訟になっています。
今回の件は医療以外の複雑な事情も絡んだので、新聞報道になっていますが、実際はもっと多いということを把握しておく必要があると思います。

10/06/30

6月16日(水)〜19日(土)の四日間にLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群、男性更年期)疑いで来院した10名の方々の内容が分かりました。
6月15日のテレビ番組を家族が見て来院した7名(本人も見た方は1名)のうち、治療で改善すると診断できた方は4名で、他の3名はLOH症候群ではありませんでした。
番組とは関係なく来院した3名は全例LOH症候群で、治療で改善すると診断しました。LOH症候群と診断した合計7名の方々には2ヶ月間の予定で治療を開始しています。

10/06/21 6月15日(火)のテレビ番組でLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群、男性更年期)が放送されたようですが、私は患者さんから知らされました。
テレビの影響は大きいようで、16日(水)から19日(土)までの四日間で10名の方が来院しました。このうち3名が番組とは関係なく来院し、7名が番組と関係があったようです。7名のうち、ご本人が番組を見たという方は1名で、他の方々は配偶者や家族がみて受診をすすめたということでした。
検査中ですが、この7名のうち何名がLOH症候群として治療対象になるのかは分かりませんが・・・。
10/03/10 「精巣(睾丸)を打撲したら内出血してしまいました。痛みはないのですが、受診すべきでしょうか。放置するとなにか支障がありますか。・・・・」に対する回答を記載しました。暮しと健康2010/3月号の原稿です。「健康相談室」。
09/11/17

前立腺肥大症治療薬として5α還元酵素阻害薬Dutasteride(アボルブ)が保険適応になりました。先日、ジヒドロテストステロン(DHT)の作用について解説の依頼がありました。DHTのアンドロゲン(男性化)作用はテストステロンの数倍高いのですが、解明されていない点もあります。現時点で分かっているDHTの臨床的な意味について講演しました。その概要はこちらです。

HP作成をGoLiveからDreamweaver CS4に変更したときに生じたリンク破損を修正しました。ご迷惑をおかけしました。

09/11/04 HPを解説して10年経過しました。今日までアクセス数は1,200,678でした。
09/07/09 男性更年期障害は男性ホルモンの低下ないしは部分的反応不全によることが明らかになってきました。そこで近年LOH(Late onset hypogonadism)症候群と呼ばれることが多くなりました。日本語にすると[加齢男性性腺機能低下症候群]となりますか。用語の問題に関しては以前環境ホルモンを取り上げたことがあります。しかしそれとは内容が全く異なります。
患者さんの診療から、いろんなことが分かってきましたが、かなり複雑です。
08/06/20 性感染症に関する項目の一部を更新しました。
07/10/12 誤解を避けるために、アルゴリズム(PDF)の説明に補充を加えました。
07/10/07 バイアグラ、レビトラに続いてシアリスも処方できるようになりました。しかし、このようなPDE5阻害剤がすべての勃起障害(ED)に有効というわけではありません。無駄な出費を控えていただくために、あえてこのようなアルゴリズムを公開しました。
掲示板はもう少しお待ちください。
07/07/16 現在使用中の掲示板は7/31で終了になります。niftyから新たに提供される「レンタル掲示板」への移行を行いましたが、「公開確認機能」が実装されていませんでした。現在の掲示板には多数のアダルトや女性紹介の書き込みが多く(毎日20〜30件)、その都度削除しています。「公開確認機能」がない状況ではこれら誘導サイトへの書き込みが大部分を占めて、本来の掲示板の機能が果たせないということが分かりました。他の方法を考えておりますが、7/31に間に合うかどうか微妙な状況です。
06/12/03 第23回宮城県性感染症では、HIV関連の話題を二題お願いしました。国立病院機構仙台医療センター婦人科部長の和田祐一先生には「HIVスクリーニング検査について」、統括診療部長の佐藤功先生には「宮城県におけるHIV感染症の現状」について講演して頂きました。
06/07/02 第22回宮城県性感染症研究会ではこれからの性感染症の問題点を示唆する演題を取り上げました。「教育現場からこども達の性の知識実態と『性の学力』形成を考える」という演題で仙台市立八木山中学校養護教諭の北村志津枝先生、「STD最近の話題」という演題で新宿さくろクリニック院長の澤村正之先生にお願いしました。性教育の重要性が指摘された印象でした。
06/05/24 すこやかファミリーに掲載した「中高年のうつと男性更年期の違いは?」をHPに記載しました。男性更年期は的確な診断を行うことでほとんどの方が改善していると思います。
06/03/04 男性更年期(障害)の治療方針や治療方法などについて実際の診療で行っていることの半分も記載することはできません。患者さんの背景がそれぞれ異なることも一因です。「すこやかファミリー」に記載した原稿をHPに掲載することにしました。男性更年期(障害)は存在しないという方針で治療している医療施設もあるようです。本当に緩解すればそれでもよいのですが、まったく改善していないために来院した方々に直面するとそうでもないようです。
05/12/08 最近、前立腺炎に関する気になる質問が多くなっています。誤解の多くは前立腺炎様症状を起こす原因を急性細菌性前立腺炎と捉えている方が多いようです。いろんな抗生物質を長期間内服しているが症状は全く変わらない・・・、どうしたものか、というご質問です。効果がなければその治療は中断すべきだと思うのですが。残念なことにそのような方の多くは、保険適応病名で前立腺炎と記載されている薬剤を処方されています。もちろんこのような薬剤が有効な方もたくさんいます。
患者さんによって症状の原因となる病態は異なるはずなのですが、なかなか複雑です。理想的には単純な細菌感染のように一般化された診断・治療法があればよいのですが、前立腺炎様症状に関しては未だ無理なようです。理由はいくつかありますが、一番大きな問題は前立腺炎様症状をどのような病態として捉えるかが一般化していないことです。従って前立腺炎の分類もいろんなものがあって、どれが正しいということも言えません。HPの問題31でも便宜的な分類を取り上げていますが、あまり気にしないで下さい。
05/11/16 11月15日に開催された宮城県性感染症研究会では、産婦人科領域のHPV−DNA検査と特に若い人に感染が拡大しているクラミジア感染症を取り上げました。感染拡大を防ぐにはやはり適切な性教育が必要である。特に男子中・高生への性教育が特に遅れている。男と女の性的役割(gender role)を正しく教育していくことが特に重要である。
05/10/03 男性更年期の概念も広まってきたようです。ほとんどの方が治療によって症状が改善し通常の仕事に復帰できています。今回は9月5日付けの河北新報「くらし」面の記事を取り上げました。この記事は私が書いたものではありません。掲載された数日前に編集局生活文化部記者F氏から取材を受けたものです。紙面の都合で短い文章にはなっていますが、男性更年期を理解する上では非常によくまとまっているので取り上げました。
05/07/28 7月8日の宮城県性感染症研究会では耳鼻咽喉科からみたクラミジア感染と淋菌感染を取り上げました。宮城県内の一般病院・診療所での検査報告です。咽・喉頭炎を主訴とした患者さんの4.3%の割合。これを多いと判断するか少ないと判断するかは別問題ですが。風俗店などで働いている方(CSW=commercial sex worker)は特殊な施設と契約して検査・治療を行うことが多いので、この報告には含まれません。
05/06/07 更新の履歴05/03/01で取り上げた患者さんがやっと職場に完全復帰することが出来ました。約2年間の休職期間だったそうです。私が治療してから約一年になります。男性ホルモンの作用不全状態を改善させるため、試行錯誤した一年でした。薬剤からの離脱で苦労したのは、sulpirideと不眠のために処方されていた睡眠導入剤でした。現在は薬剤なしでも熟睡できるそうです。他の症状もほとんど消失しています。しかし、患者さんやご家族の苦労を考えると、反省材料も多々あります。あまりにも長期間かかってしまいました。男性更年期に対する治療法の体系化を考えているのですが、もう少し時間がかかりそうです。
05/05/17 ケータイ用のページを作成していますが、・・・
05/03/01  昨日(2月28日)は「男性更年期」に関する電話での質問に明け暮れました。当日の朝日新聞の医療面で男性更年期が取り上げられ、診療可能な病院の一つに当院も掲載されていました。
週刊誌や月刊誌にはこれまで何度か男性更年期外来として紹介されましたが、これほどの反応はありませんでした。

 これまで多くの男性更年期に悩んでいた患者さんの治療にあたってきましたが、男性ホルモンを補うだけでは解決できないことも分かってきました。ポイントは大きく分けて二つあります。
一つはホルモンバランスの崩れで生じた生体の変化をいかに正常に戻すかということになります。その中にはフリーテストステロンを含めた男性ホルモンが正常の場合もあります。当然ですが、標的組織の反応不全も含まれます。
次に他の薬剤からの離脱をいかに効率よくできるかということです。男性更年期の症状は長くても数ヶ月で改善します。男性更年期の方はいろんな種類の健康補助剤や薬剤を使用している方が多いものです。これが治療効果を左右するポイントになります。このことが原因で治療効果が大幅に遅れてしまう患者さんもいます。ある患者さんは受診して約9ヶ月になりますが、幸いにも初診時から患者さんと奥さんの理解がありました。不安のために離脱が長引いてしまった方です。まだ完全ではありませんが、最近やっと治療効果がでてきました。本人はもちろんですが、配偶者の理解も不可欠です。

 男性更年期に似た症状を示す他の病気もあります。神経内科的な治療や脳外科的な手術をしたほうがよい場合もあります。患者さんのためにも鑑別診断は重要なことになります。

 昨今、リストラなどの問題もあって、自殺者が話題になりました。その中には男性更年期の方も含まれていたのかもしれません。これからも身を引き締めて男性更年期の効果的な治療を考えなければならないと思っています。

04/10/13  クラミジア感染の有無を確認する方法には検体からの抗原検査と血液検査による免疫抗体を調べる方法があります。しかし、現在感染していて、パートナーへの感染が考えられる場合には抗原検査が必要になります。これに関する質問はメールの相談に多数ありますので、取り上げることにしました。先日の掲示板にもありました。

 今週の問題は、NO.83「男性のクラミジア感染の有無を調べる方法としては遺伝子検査を含めた広義の抗原検査が望ましい?」としました。正解は、です。

04/08/20 日本でも男性更年期が広く認知されるようになりました。男性ホルモン(テストステロン)の低下が注目されていますが、それ以外にも考えなければならない点はいくつかあります。生物学的活性を持つフリーテストステロンや結合性の弱いアルブミン結合テストステロンなど、一度報告されるとそれのみに原因を求める傾向にあることも事実です。テストステロンが作用する標的細胞の反応性が低下していることにも注目しなければならないと思います。男性ホルモンの補充療法は容易ですが、標的細胞の活性化が治療の根本であると考えています。いろいろ試行していますが、まだ結論は出ません。先日、取材を受けた時にもこの考え方をお話ししました。HP内すこぶる 2004/ 9月号
04/07/18 6月17日に行った宮城県性感染症研究会の内容を追加しました。

男性更年期障害の内容を一部取り入れたページを追加しました。日本医療企画から出ているホスピタウン8月号の取材内容です。PDFファイルにしました。

04/04/26 男性更年期障害の質問が多くなりました。外来を受診する患者さんの中にも男性更年期障害で悩んでいる方が増えています。基本的に男性更年期障害は治ると考えてよいと思います。
04/01/10 年末から新年にかけて、血精液症に関するメールが多数ありました。皆さんの病状がそれぞれ違うので、返事に困ったこともありました。やはり、一度は泌尿器科を受診していただいて、原因だけは確認しておくことが最善だと考えています。
03/06/10 精管結紮術(パイプカット)に関する質問があります。質問の内容はいろいろですが、その中の一部を取り上げることにしました。精管結紮術は男性の永久的な不妊手術としては最も優れた方法です。したがってこの手術を行うには配偶者の同意書が必要なことは言うまでもありません。しかし、手術後にも不幸な出来事は起こりうるものです。そのため、精管結紮を行った何年か後に精管の再開通術を希望する方もいます。大きく分けると二つのケースがあるようです。
@不幸にして病気や事故でお子様をなくした場合
A何らかの事情で、新しいパートナーとの間の子供が欲しいという場合です。

精管結紮術は前にも触れましたように不妊を目的にしています。今週の問題は、NO.82「パイプカット(精管結紮術)は男性の永久不妊が目的ですが、結紮された精管が自然に再開通することは絶対ない?」としました。正解はいろんなケースが考えられますので、としました。

03/03/09 メールを使った医療相談で最近気になることがあります。
@「件名」が空欄あるいは内容を把握できないメール。ほとんどは悪質なものでないとは思いますが、以前トラブルが発生したことがありますので、開封しないことにしています。専用ソフトで送信者を特定できるのですが、その都度そこまでする気にもなりません。
A男性と女性の性分化について書く機会がありましたので、今回はその内容を掲載します。NO.81
03/01/19 原稿書きになどの雑用でHPの更新がなかなか出来ませんでした。今回は問題ではありません。「男性更年期障害」の質問に対する解説を掲載しました。2003/01/22の河北新報に掲載する予定の原稿です。男性更年期障害については以前にも取り上げました。快適な日常生活を送るためにも、おっくうがらずに泌尿器科などで相談してください。NO.80
02/10/09 精子の奇形は妊娠しているカップルの正常男性にも認められます。掲示板の方にも質問がありますが、奇形精子が多くなると自然妊娠の成功率が悪くなります。

今週の問題は、NO.79「自然妊娠に成功している男性の精液内には、常に正常精子のみで、異常な奇形精子は含まれない?」としました。正解はです。

02/07/18 男性不妊症になりうる原因はたくさんあります。原因の多くは先天性ですが、後天性の一つに精路の感染症があります。感染症の典型的な起炎菌には性感染症の一つである淋菌があります。この感染による男性不妊症は、精巣上体(副睾丸)を構成している多数の細管が閉塞状態になるため、精巣(睾丸)で造られた精子が射精管口まで到達できないことが主な原因になっています。精巣上体管は精巣で造られた精子の通路になりますが、その他精子の発育にも関与しています。同じような細菌に結核菌があります。今週の問題は、NO.78「淋菌感染症などで男性不妊症になる原因は、細菌の精子への直接的な作用による?」としました。正解はです。
02/06/17 患者さんが病院を受診して、クラミジアなどの性感染症を指摘されると、いつ感染したのか思い当たらないという場合があると思います。感染にはパートナーとか複雑な事情が絡んできますので、感染源を特定することは困難な場合もあります。そこで、一つの考え方として受診した病院での検査の時に感染することはないのだろうか、と考えるのも無理のないことだと思います。クラミジアなどの性感染症は自然発生的に発病することはありません。しかし、病院の検査時に感染するということはあり得ないことなのです。最近続けて数人の方(全員女性)からメールでの質問がありましたので、あえてここで取り上げました。
02/05/20 高校三年の男子生徒からの質問。流行性耳下腺炎(おたふく風邪)になったが、将来子どもが出来なくなるのではないかと心配してのメールがありました。今週の問題は、NO.77「流行性耳下腺炎になった男性はみんな無精子症になり、男性不妊症になってしまう?」としました。常識的な正解はです。今日から Adobe Golove 6 を使用しています。GoLive 5 から 6 への移行ページはまだ部分的です。
02/03/07 PCも完全に復旧し、ウイルスメールも一段落したので、やっと通常のペースに戻ることができました。女性が尖形コンジロームに感染している場合、パートナーである男性の検査を依頼されることがあります。尖形コンジロームはヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus, HPV)感染症で、大部分が性行為あるいは性的行為で感染します。しかし、紹介された男性が尖形コンジロームに感染しているのかどうか判断できない場合も少なくありません。今週の問題は、NO.76「女性が尖形コンジロームと診断された場合、彼女のパートナーである男性にも女性と同じような臨床症状は必ず現れる?」としました。常識的な正解はです。
02/01/22 昨年の12月にHP作成やメールに使っているPCがクラッシュしてしまいました。一日数件から10件前後のウイルス添付メールに悩まされました。一応使用できるようにはしましたが、kernel32.dllファイルの不具合で、Updateダウンロードが一部出来ません。仕方なくラップトップPCで対応しています。現在はファイアウォールで監視していますが、この二週間で数回の不正アクセスも確認しています。性感染症などの感染症で抗菌剤を使用しなければならない場合、抗菌剤の精子に対する影響が気になる方もいるようです。今週の問題は、NO.75「男性の尿路感染症などのため、抗菌剤を用いた治療後の妊娠は胎児に対する影響がある?」としました。常識的な正解はです。
01/12/13 男性のクラミジア感染症の感染源として、女性パートナー以外に考えられないことがあります。その割合がどれ位なのか実際に検討してみました。プライバシーの問題も絡んできますので、検討した背景をすべて明らかにすることはできませんが、意外な結果になりました。詳細は日本性感染症学会第14回学術大会(2001/12/1-2、東京)で発表しました。今週の問題は、NO.74「男性のクラミジア感染症の感染源として、女性パートナーの割合が10%を越えることはない?」としました。正解はです。
01/11/17 昨日の夕方頃HPのカウンターが200,000を越えていました。たくさんの方々からこのHPにアクセスしていただいて感謝しています。
先日、仙台市医師会で発行している HELLO DOCTOR 2001秋の号 に「血尿のはなし」を書きました。皆さんが健康診断や市町村の基本検診などで血尿を指摘されることもあるかと思います。血尿を指摘された場合、どのように考えたらよいのかということについて書いてみました。今週の問題は HELLO DOCTOR の中で説明している中から、NO.73「健康診断などで毎回血尿を指摘されている方は、いつものことなので放置していてもよい?」としました。正解はです。
01/10/14 尿路感染症の中でも、緑膿菌感染症は厄介な感染症の一つです。緑膿菌は感染防御機能が低下している宿主に感染するのが特徴で、正常人で発症することは非常に稀です。多くは抗生物質を用いた治療中の菌交代症としての発症で、おもに病院内で発生しています。生後10ヶ月のお嬢さんが緑膿菌による尿路感染症になったという質問がありましたので取り上げました。今週の問題は、NO.71「腎臓から尿道(尿路という)に異常がない健康な方でも、緑膿菌による尿路感染症になることはある?」としました。正解はです。
01/09/15 最近十数名の中高年の男性の方から相談された。特に病気を指摘されてもいないし健康であると自負しているが、性欲が低下し十分な勃起もみられなくなったという深刻なものであった。何度かお話を伺って検査してみると、いわゆる「男性更年期障害」と診断することが出来た。この考え方は比較的新しいく、以前は年のせいだとあきらめていたものだと思う。札幌医科大学名誉教授で現在「性の健康医学財団」の会頭である熊本悦明先生が詳しく書いておられるので参考にしていただきたい。今週の問題は、NO.70「女性と同じように男性にも更年期障害はある?」としました。正解はです。
01/08/26 前立腺炎や精嚢炎、精巣上体炎(副睾丸炎)などの副性器の炎症を放置しておくと、男性としての妊孕性が低下することがあります。
副性器の炎症の原因となった病原微生物の種類よっても障害部位が異なりますので、妊孕性の低下、すなわち男性不妊症に必ずなるというわけでもありませんが。今週の問題は、「前立腺炎や精巣上体炎(副睾丸炎)のような副性器の炎症が男性不妊症の原因になることもある?」としました。正解はです。
01/08/12
メールの質問からの印象ですが、膀胱炎を繰り返すことで悩んでいる女性が比較的多いようです。先日の掲示板にも同じような質問がありました。これまでの膀胱炎や尿路感染に関する解説の中で触れているのですが、いろんな問題の回答欄あるいは解説にまたがっているので、理解しにくいのではないかと考えています。膀胱炎の再発を繰り返していた方が受診したときのお話の内容に、「水分をいつも多めに取るようにしているのですが・・・」というのがあります。お話を伺っていると、水分摂取は膀胱炎になっていない女性の方に比べると確かに多いようです。逆に、水分摂取の多いことが膀胱炎の再発の原因ではないことも事実です。
「水分を多めに取る」という言葉にこだわっている方が多いようなので敢えて取り上げることにしました。今週の問題は「何度も繰り返す女性の膀胱炎(再発性膀胱炎)を予防する最善の方法は、いつも水分をたくさん飲むことである?」(q68)としました。
01/07/12
前回は産経新聞の生活面用に書いた血精液症の原稿(問題66)を掲載しました。今回、一般紙向けに書き換えた紙面と同じ内容を別に再掲しました。問題33で不妊症の原因になりうる一疾患として精巣捻転症を取り上げました。これは捻転部の疼痛を伴います。同じように疼痛を伴うものの中に精巣垂捻転や精巣上体垂捻転があります。今回はこれらの疾患について取り上げました(問題67)。
01/06/14
留置カテーテルについては問題34問題48でも取り上げました。留置カテーテルの中で主に尿道から膀胱への留置について取り上げました。留置カテーテルは腎臓や尿管の場合も同じことです。尿道を介して膀胱に留置する尿道カテーテルは、男性の場合、尿道が長いことによるトラブルもあるので、特に注意する必要があります。
最近のメールの質問で、腎臓にカテーテルが入っている(腎瘻)方で、ときどき発熱を伴うけれどもその原因は?という質問がありました。このような問題点をあまり経験していなかったので不思議でしたが、患者さんやご家族にとっては重大な問題点になることもあるわけです。メールを出していただいた方に感謝しています。今週の問題は「腎瘻(腎孟へのカテーテルの留置)から尿の排泄を行っている方でも発熱を伴うことはある?」としました。正解はです。
01/06/03
性器ヘルペスは問題49でも取り上げましたが、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染症で、外陰部に多発性の水疱や潰瘍を形成する疾患です。
感染は性行為や性的な行為(フェラチオやクニリングスなど)で感染する性感染症の一つです。以前は性器ヘルペスの原因となるウイルスはHSV-2がほとんどであると考えられておりましたが、初感染による急性型ではHSV-1とHSV-2の頻度は同じくらいになっております。今週の問題は「性器ヘルペスの原因となるウイルスは単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)2型がほとんどである?」としました。正解はです。
01/05/18
女性の方でクラミジアの治療が終わった直後に妊娠した場合、抗生物質による胎児への影響はどうであるのか、掲示板への質問がありました。掲示板の内容と重複するのを避けるため、掲示板からの問題は作らないのですが、今回はプロバイダーサイドに日本語のコード変換に問題がありましたので取り上げました。
抗生物質の胎児への影響は、細菌の細胞分裂を抑制する作用が胎児の発育に影響を及ぼすことから、少なくとも妊娠中期までは注意しなければなりません。掲示板で質問があった薬剤はクラリスロマイシンでした。質問とは観点を変えて出題します。今週の問題は「胎児の正常な発育を考えると、妊娠中の抗生物質の使用には慎重でなければならない?」としました。正解は当然です。
01/04/26
男性不妊症といわれている方の治療をした場合、精子数が増えるのは治療後どれくらい経過すれば分かるのかは非常に複雑な要因を考えなければなりません。射精時に精液中に現れる精子は精巣(睾丸)内で作られますが、精子の元になる精祖細胞から細胞分裂によって精母細胞、精子細胞を経て精子になります。精巣内でこの課程に要する期間はヒトでは72日です。今週の問題は「精液中の精子の数が少ないために子供ができにくい方の治療には3ヶ月間を目処にしなければならない?」としました。正解はです。
01/04/14
妊娠成立について少し誤解があるようなので取り上げてみました。夫婦の両方が正常と診断された場合、排卵日の時の性行為で100%妊娠するかというと必ずしもそうとは言えません。
この場合、正常の定義ですが、産婦人科や泌尿器科の検査で正常と判断される場合のことを意味しております。今週の問題は「正常と診断された夫婦であれば、期待された排卵日には必ず妊娠することができる?」としました。正解はです。
01/04/05
性感染症に関して、これまでの問題では主に感染経路などを中心に取り上げてきました。しかし、最近意外に誤解されていることが性感染症の予防という点であることに気づきました。
性感染症の中で今回はクラミジアの感染予防についてふれます。クラミジア感染を予防する最も安全な方法は、お互いに性感染症に感染していないカップル以外との性行為をさけることです。しかし、現実問題として、最近のいろんな統計が示しているように、未婚男女はもとより既婚男女でもパートナー以外との性行為経験が多くなっております。このことが性感染症急増の原因にもなっているわけです。今週の問題は「クラミジアの増殖という観点から考えると、射精を伴う性行為の時だけコンドームを使用するだけでクラミジア感染を予防することができる?」としました。正解はです。
01/03/26
性感染症は男女を問わず確実に増えてきております。今回は淋病を特に取り上げます。男性では、尿道口らの膿の分泌や排尿時痛などを伴うので治療を受ける方がほとんどではないでしょうか。問題はパートナーの女性です。今週の問題は「女性の淋菌感染症は、症状に乏しいので、無症候性の保菌者になっていることがある?」としました。正解はです。
01/03/02
前立腺炎の中でも慢性前立腺炎は会陰部や腰部、下肢などの鈍痛といった不定愁訴が強いので患者さんは大変です。
成人男性の70%位の方は大きさや数はともかく前立腺結石を持っているようです。前立腺結石が感染していない場合はほとんど症状がないため問題になることはありません。慢性前立腺炎の方では前立腺分泌液の炎症所見の他に多数の方でこの感染性と考えられる結石を認めます。今週の問題は「慢性前立腺炎では感染性の前立腺結石が関与していることが多い?」としました。正解はです。
01/02/17
こどもの膀胱尿管逆流に対する対応は重要な問題です。膀胱尿管逆流があると必ず膀胱炎や尿道炎になるわけではありませんが、この病気に気付かないでいると知らず知らずのうちに腎機能が低下してしまうという問題があります。
膀胱尿管逆流については問題32でも取り上げました。今週の問題は「小児の膀胱尿管逆流はすぐ手術をして逆流を防止しなければならない?」としました。正解はです。
01/01/31
今回は比較的高齢なご婦人の尿失禁について触れます。尿失禁には必ず原因があるわけで、その原因を究明しないままに治療をすることは一番危険です。
原因の一つに薬剤による副作用があります。高齢者は複数の診療科から投薬を受けていることがあります。今週の問題は「比較的高齢ご婦人の尿失禁の原因は筋力の低下によることがほとんどであって、薬剤の副作用によることはない?」としました。正解はです。
01/01/21
精巣上体炎(副睾丸炎)を起こすと同側の精巣で作られた精子が精液中に流れなくなるのではないかという心配をしている方がおります。
精子の通過障害は精巣上体管あるいは精管が炎症の治癒段階で閉塞してしまうために起こります。炎症部位の治癒過程でこのようなことが起こるのは結核と淋病が有名です。今週の問題は「両側の精巣上体炎(副睾丸炎)になると、将来必ず無精子症になる?」としました。正解はです。
01/01/04
クラミジアのような性感染症は男女のペアが関与することなので、感染源を特定することが重要です。通常はクラミジア抗原を調べるわけですが、クラミジアは光学顕微鏡では観察することが出来ません。淋菌などは顕微鏡ですぐ見つけることが出来るのですが、クラミジアは非常に小さいので分かりません。今週の問題は「クラミジア感染を証明するにはクラミジア抗原検査をするのが最善であるが、どの検査法を用いても大差はない?」としました。正解はです。
00/12/15
●ページのバランスが取れないので、アクセスカウンターをページの最後尾に移動。無症候性のクラミジア感染症についてはこれまで主に女性について触れてきました。今回は男性の無症候性クラミジア感染症について触れます。
男性では約半数に尿路の症状が認められないようだと指摘しました(NO.47)。ところで、慢性前立腺炎のような症状をもった男性の前立腺分泌液を採取してクラミジア抗原を検査すると約10%前後の方にクラミジア抗原の存在を確認することが出来ます。この場合尿中のクラミジア抗原を調べても陰性というわけです。尿中にクラミジア抗原が認められなくても、前立腺分泌液中に存在すれば、精液内にも移行します。今週の問題は「男性にも無症候性の性感染症(クラミジア感染症)はある?」としました。正解はです。
00/11/28
尿路感染症の中で、通常の治療ではなかなか改善しない方がおります。尿路感染の再発を示唆する所見が認められない場合は、尿路性器結核症も考慮に入れなければなりません。今週の問題は「なかなか治癒しない尿路感染症では尿路結核症も考慮に入れなければならない?」としました。正解はです。
00/11/07
昨年の11月4日にHPを公開してから、一年が経過しました。記載する内容は皆さんの質問が多いので題材不足になるということはありません。しかしHP更新にそれ程の時間がとれないため、思うようには更新作業が出来ません。膀胱炎を繰り返す方の中には、抗菌剤の投薬を止めると尿中に細菌(細菌尿)が多数認められることがあります。このような場合は細菌尿の原因を特定して治療しなければなりません。今週の問題は「膀胱炎を繰り返す方の中で、いつも細菌尿を認める場合はその原因を検査しておく必要がある?」としました。正解はです。
00/10/20
亀頭包皮炎を繰り返す男のお子さんがおります。このような場合、抗菌剤を含んだ外用薬を長々と塗布していた患者さんが来院することがあります。今週の問題は「小児の亀頭包皮炎は誰にでも起こるので外用薬を塗布しておけば大丈夫である?」としました。正解はです。
00/10/01
排尿障害のため不本意にも留置カテーテル(持続カテーテル)を使用しなければならない患者さんがおります。手を自由に使える方は自己導尿が最善なのですが。
留置カテーテルで問題となるのが尿路感染です。尿路感染があってもカテーテルからの尿の流出がよい場合には膀胱内圧の上昇がないために、発熱を伴った腎孟腎炎に移行することはありません。
留置カテーテルで問題となるのがカテーテルから膀胱洗浄をした方がよいのか、それとも洗浄するときの感染を考えて膀胱洗浄をしない方がよいのかということではないでしょうか。今週の問題は「膀胱洗浄するときの感染を考えると、尿道から留置されているカテーテルからの膀胱洗浄は絶対行うべきではない?」としました。正解はです。
00/09/19
最近、女性の検査でクラミジア感染を指摘されたけれどもパートナー両者ともに思い当たらないという質問が多くなっています。昨日掲示板の方にも一件ありました。
この原因として、無症候性の(症状がない)クラミジア感染症が増えていることが考えられます。お互いに「思い当たらない」ということは、お互いが性的な関係を持ってからのことが強調されるようです。今週の問題は「クラミジアに感染していないパートナー同士が、他の人と接触がなくても、後日女性がクラミジア感染を指摘されることもある?」としました。正解はです。
00/09/07
経口避妊薬であるピルが日本でも使用できるようになりました。ピルを使用できるようになると性感染症にどのような影響を及ぼすのか興味深い点です。
性感染症とピルとの関係をみたデータは日本には未だありません。米国では1960年半ばにピルが使用できるようになりましたが、その結果性感染症の頻度はどのように変化してきたかを参考に考えてみます。性の考え方が欧米諸国と日本とでは必ずしも一致しないと思いますが。今週の問題は「経口避妊薬ピルの使用は性感染症の増加には関係ない?」としました。欧米のデータをもとにすると正解はなのですが、果たして本邦では?
00/08/20
NO45
精子数が少なく自然妊娠が無理だと判断される場合、その原因を明らかにする必要があります。それによって治療方法の考え方も異なります。
精子は精巣(睾丸)内の精子形成の元になる細胞(精祖細胞)の体細胞分裂から第1減数分裂、第2減数分裂を経て、精子細胞・精子へと成熟していきます。
患者さんの疑問として、精子数を増やすということは単に細胞分裂を増やせばよいのではないかと誤解している方がおります。他の疑問としては、どれくらいの期間治療すればよいのかがなかなか理解しにくいようです。
今週は前者の精子数を増やすということについて考えてみましょう。治療期間については後日ふれます。今週の問題は「精子数を増やす最も効果的な方法は、精巣(睾丸)内で精子の元になる細胞の細胞分裂を促進させることである?」としました。正解はです。
00/08/06
NO44
性感染症で外来を受診した男性の患者さんには、立場上感染経路を確認します。最近多くなっている答えは、「風俗店に行ったのではなく、普通の女性とセックスしたのですが」という点です。
時代の変化とともに、性生活にも大きな変化がおきているようです。女性の性感染症は風俗店などで働いている女性(CSW=commercial sex worker)特有の感染症であると誤解している方が多いので取り上げました。今週の問題は「男性が性感染症に感染するのは、いわゆる風俗店で働いている女性(CSW)との何らかの性的な関係によることがほとんどである?」としました。正解はです。
00/07/30
NO43
性感染症の中でクラミジア性感染症は症状に乏しいので(無症候性)、自分が意識しないうちに他人に感染させていることが多いので注意しなければなりません。前回も指摘しましたが、特に女性の場合は不妊症の原因にもなります。今週の問題は「クラミジア感染症ではほとんどの場合、排尿痛や尿道口からの膿の分泌、帯下感(女性)などの自覚症状を伴う?」としました。正解はです。
00/07/16
NO42
今回は妊婦の性感染症、特にクラミジア感染についてふれます。私は泌尿器科を専門としておりますので、妊婦さんの診察をすることはありません。すべて産婦人科の先生にお願いするのですが、若い女性からメイルでの質問が多数ありますので取り上げました。
女性の感染は男性とは異なり腹腔内への感染があるので注意しなければなりません。子宮から卵管を介して卵巣周囲の腹膜炎を併発したりします。時には肝臓周囲あたりまで感染が拡大して急性腹症(腹部の激痛)を呈することもあります。注意してください。今週の問題は「女性がクラミジアに感染しても子宮外妊娠の原因になるとは考えられない?」としました。正解はです。
00/07/09
NO41
精巣上体(副睾丸)の炎症には、発熱や疼痛、腫張を伴う急性精巣上体炎と症状の乏しい慢性精巣上体炎があります。
精巣上体には後部尿道から精管を介して逆行性に病原微生物が精巣上体に入って炎症を起こすことがあるわけです。原因微生物としては、大腸菌、エンテロバクター、緑膿菌などの細菌が多いのですが、最近急増しているクラミジアも無視することはできません。
精巣上体の中には非常に細い精巣上体管が多数入っています。この精巣上体管は精巣上体からでる部分では一本の精管になります。不妊を目的としたパイプカットはこの精管を結紮・切断するわけです。今週の問題は「精巣上体(副睾丸)炎の不適切な治療は男性不妊症の原因になることがある?」としました。正解はです。
00/06/25
NO40
小児の夜尿症にはどのように対応したらよいのか、お親御さんに聞かれることがあります。排尿をコントロールする脳(大脳ー脳幹)の中枢神経系は、個人差がありますが、4歳頃までに発達します。
睡眠中でも排尿したくなれば目が覚めてトイレに行くようになる排尿習慣も、上で述べた中枢神経系の発達とともに4−5歳頃までには出来上がります。今週の問題は「小児の夜尿症は小学校に入学する頃まで様子をみてもよい?」としました。夜尿症といっても程度の問題があります。週に2−3回漏らすという場合を考えますが、その原因が他にないのかどうかを調べておく必要があります。
小学校入学時頃の夜尿症は子供の精神発育上も好ましいことではありません。
00/06/18
NO39
勃起障害でバイアグラを使用しなければならないと診断された患者さんの中で、それ以降ずっとバイアグラを内服しなければならないのではないかと誤解していらっしゃる方がおります。
確かにバイアグラなしでは十分な勃起現象を期待できない患者さんもいることは事実です。私の患者さんで少なくとも3割の患者さんは数ヶ月の内服でそれ以降は必ずしもバイアグラを服用しなくてもよい状態まで改善している方がおります。今週の問題は、「勃起障害で一度バイアグラを使用した男性はそれ以降ずっとバイアグラを使用しなければならなくなる?」としました。必ずしもそうではありません。
00/06/11
NO38
女性がクラミジアのような性感染症に感染すると、一般的にはカップルである男性から感染したと考えるのが常識のようなのですが、本当にそうなのでしょうか。
問題23(00/01/28)でも取り上げましたが。観点を変えて今週の問題は、「男性がクラミジアに感染していない場合でも女性がクラミジアに感染することがある?」としました。
00/06/02
NO37
射精時に、会陰部に疼痛を感じる患者さんがおります。原因はいろいろあるのですが、その一つに前立腺や精嚢の炎症があります。
今週の問題は「男性のクラミジア感染症は射精時疼痛の原因にはならない?」としました。
00/05/26
NO36
陰茎が勃起したときに痛んだり、左右どちらかに屈曲したりする疾患があります。ペイロニー病(Peyronie's disease)と呼んでいます。1743年に命名されております。
外来にもこの症状で受診する方がおります。
陰茎には解剖学的に3本の海綿体が含まれますが(一本は尿道海綿体)、海綿体はさらに白膜という強靱な組織で覆われております。白膜は2層でできており、この部分に瘢痕化がおこって一部が伸縮性のない組織に変わります。この状態をペイロニー病と呼ぶわけです。
発生原因はよく分かっておりません。性行為時における外傷説なども考えられております。
ほとんど治癒すると考えてよいでしょう。●JYCOS JAPAN に登録(00/05/26)
00/05/19
NO35
男性不妊症の原因の一つに【逆行性射精】があります。
精液は尿と同じように外尿道口から排出されますが、逆行性射精では精液が膀胱内に入ってしまう現象です。精液が全部膀胱内に入ってしまう場合は射精感はあっても実際に外尿道口から精液が出ないので分かりやすいのですが、一部のみが膀胱内に入ってしまう場合は気付かない方が多いようです。
経尿道的前立腺切除術(TUR-P)後や精巣腫瘍で後腹膜リンパ節郭清をした後でも起こることがありますが、意味が少し違います。今週の問題は「男性不妊症の原因として【逆行性射精】は無視してもよい?」 です。
00/05/08
NO34
敗血症に関する質問がありましたので取り上げました。
敗血症は血液中から菌が検出される状態(菌血症)に加えて、全身性の炎症反応を伴う病態ですが、基礎疾患のある患者さんで発症します。敗血症の基礎疾患として以下の4点を考えておく必要があります。
1)尿路や胆道系あるいは呼吸器感染症などの重傷感染症が進行した場合
2)術後感染症が悪化した場合
3)尿路あるいは血管内留置カテーテルからの菌が血管内に入る場合
4)感染性心内膜炎など血管内感染症が存在する場合今週の問題は「留置カテーテルを使用している方は、無症候の膀胱炎にとどまるので、敗血症になることはない?」としました。
00/04/25
NO33
陰嚢内容が腫張する疾患の中で急性精巣(睾丸)炎を取り上げました。頻度は低いのですが、陰嚢内容が腫張し陰嚢皮膚は発赤しており、鼠径管から腹部へ放散する痛みが特徴です。流行性耳下腺炎ウイルスによる場合がほとんどです。将来の不妊症との関係で注意しなければなりません。鑑別しなければならない疾患としては、急性精巣上体(副睾丸)炎、精巣捻転症、外傷による精巣損傷などがあります。
精巣捻転症は精巣への血流が遮断されますので、緊急手術で回転を戻し、固定手術をしなければなりません。放置しておくと精巣が萎縮してしまいます。今週の問題は「両側の急性精巣(睾丸)炎は男性不妊症の原因になることがある?」としました。正解は今回もです。
00/04/14
NO32
尿路感染については、これまで膀胱や前立腺など(下部尿路)について考えてきました。今回は腎臓(上部尿路)の感染症の中でも代表的な腎孟腎炎について考えてみます。腎孟腎炎が成立するためには、膀胱内に流れてきた尿が尿管から腎臓に逆流する必要があります。これを膀胱尿管逆流と呼んでいます。正常な方では、膀胱に到達した尿が再び尿管の方に逆流することはありません。この逆流を防止する機構は非常に巧妙に出来ています。今週の問題は、「発熱を伴う腎孟腎炎が成立するためには膀胱炎が発症していなければならない?」としました。正解は珍しく、です。
00/04/02
NO31
前立腺炎についての質問が意外に多いので取り上げました。
前立腺炎の分類はいろいろありますが、
1)急性細菌性前立腺炎、2)慢性細菌性前立腺炎、3)慢性非細菌性前立腺炎、4)プロスタトディニア、に分類するのが一般的です。前立腺炎の診断は、肛門から前立腺部を圧迫すると尿道から分泌液(前立腺分泌液)が出てくるのでそれを顕微鏡で観察すると白血球や原因菌の一部を確認することが出来ます。急性細菌性の場合は比較的簡単に治癒します。
一番やっかいなのは慢性非細菌性前立腺炎とプロスタトディニア(日本語では前立腺痛?)ということになります。プロスタトディニアは前立腺分泌液の所見が正常という点で慢性非細菌性前立腺炎とは異なります。これら二つの症状は下腹部・会陰部・腰部の鈍痛や不快感が特徴的です。特に坐位で会陰部が圧迫されると症状が増悪することがあります。
通常の検尿では当然正常なので、泌尿器科的な診断が必要になります。今週の問題は、「前立腺炎の原因微生物はクラミジアが圧倒的に多い?」としました。正解は当然ですが・・・・。
00/03/24
NO30
不妊症で悩んでいる男性から、精巣(睾丸)の組織検査をした結果や血液中のホルモンレベルのデータ、精巣穿刺液中の精子細胞の状態を記載して詳細な質問をされることがあります。
質問は日本、カナダ、ニュージーランドからありました。私のHPは日本語でしか記載しておりませんので、日本語を理解できる方々と思いました。私も出来る限りのお返事をするのですが、まだまだ分かっていないこともたくさんあります。そこで今回はあまり関心のない方もいるとは思いますが、精子について一部取り上げました。精子には子孫形成に重要な役割を演じるDNAが含まれることは皆さんもよくご存じのことと思います。今回はこのDNAについて考えてみます。精子が卵子と結合して胎児形成にはいる課程で、このDNAに異常があると妊娠がうまく成立しなくなります。精子のDNAの異常が不妊精子と関係があるのかを考えてみます。
00/03/17
NO29
高齢者の夜間頻尿に対して、頻尿改善薬(いろんな種類がある)を投薬されている患者さんを散見します。夜間頻尿の原因として、主なものを列記すると
1)夜間の尿量が何らかの原因で多くなっている場合。原因の治療をしなければなりません。
2)一回の排尿で十分に排尿できないため、残尿として残る場合。膀胱容量には限界がありますので、残尿が増えるとすぐ排尿したくなります。
3)膀胱頸部から後部尿道にかけて刺激状態になっている場合は頻尿の原因になります。当然原因治療が必要ですが、治癒するまでの間、症状を一時的に抑えるという場合に限って頻用改善薬は有用です。
泌尿器科医にとっては常識なのでこのようなことはないのですが、ときに頻尿改善薬の内服で大量の残尿を抱えて来院する方がおります。保険適応病名「頻尿改善薬」に罪はないので敢えて出題しました。
00/03/10
NO28
性感染症の中でクラミジアや淋病が多いのはこれまでの問題で示しましたが、実際にどのような疾患を考えなければならないかを取り上げてみました。
性感染症の分類については、いろんな書籍に記載されておりますが、今週の問題は次のようにしてみました。

性感染症はクラミジアや淋病、梅毒がほとんどで他の疾患は無視してもよさそうである?・・・正解はです。
個々の疾患については後日適切な問題でふれることにします。
00/02/27
NO27
高齢化社会を迎えますと、男性では排尿障害が問題となります。今回は排尿障害の原因となる疾患を考えてみましょう。代表例として前立腺肥大症と前立腺癌がありますが、他にも神経因性膀胱や膀胱頸部硬化症も無視できません。前立腺肥大症の治療法にも流行があります。依然として首位の座を占めるのは経尿道的前立腺切除術(TUR-P)でしょう。今はほとんど行われませんが、前立腺を凍らせる前立腺凍結術が注目された時期がありました。この凍結術で前立腺の手術はなくなるのではないかともてはやされたものです。液体窒素で前立腺組織を凍結させて壊死に至らせるという方法でした。
最近はこの凍結とは反対に、前立腺を暖めるという方法(前立腺温熱療法とか前立腺高温度治療法などと呼ばれている)がよいのではないかといろんな器械が出てきました。温熱療法は最初に膀胱癌の治療法として考えられたものでした。どの方法が最善なのかはもう少し様子を見ないと判断は出来かねます。
どのような治療法をとるのが一番最善なのか、悩むことがあります。私が患者さんに治療法を選択してもらう場合、現段階の判断では自分の近親者にも同じ方法をとるとお話しします。
00/02/11
NO25
最近、性感染症の治療をしていて困った問題に直面しております。
クラミジアなどの性感染症の治療のために投与された薬剤を他人からもらって、性行為の直前に内服したけれども、尿路感染症になってしまったという患者さんを散見します。無駄な抗菌剤の使用は耐性菌の増加に結びつきます。このような行為は私たちが患者さんの治療をする上で一番の障害となります。やめて下さい。
00/02/04
NO24
●女性に関する問題として、比較的若い方について考えてきました。今回は高齢ご婦人の慢性膀胱炎について触れます。
慢性膀胱炎とされている病態はいろいろありますが、最も多いのは尿道から膀胱三角部といわれている部分までの器質的な病変です。このような器質的な病変を治癒させる有効な薬剤は現在のところありません。そこで問題を次のようにしました。
高齢ご婦人にみられる慢性膀胱炎の不定愁訴(頻尿、下腹部・腰部の不快感など)の治療には、安定剤などを使用するのが一番効果的である?・・・正解はです。
00/01/28
NO23
女性ホルモンを使用している男性がバイアグラを内服した場合、その効果を期待できるのか、難しい問題です。関係者のご意見をお願いしていますが、ご連絡がありません。●女性が婦人科を受診してクラミジア感染などの性病をを指摘されると、彼女の夫またはセックスパートナーは泌尿器科を受診するように勧められます。そこで私ども泌尿器科を受診するわけです。厳密な検査の結果、明らかなクラミジア感染を認めることもあれば、尿路感染そのものを完全に否定せざるを得ない場合もあります。
私が若かった頃、性感染症について、「性病は男が外で遊んで感染し、その後、妻またはセックスパートナーに感染させるものだ」と教えられたのかどうか定かではないが、そのような印象を持っていたことも事実です。最近、これに異論がでていることは知っている方もいると思います。
性感染症を研究している私の恩師にその点を指摘されたことがあります。これを証明することはなかなか大変なことなのですが、意外な結果が出てきましたので、今週の問題としました。
夫婦間で感染している性感染症の原因は夫側にあることが圧倒的に多い?・・・・私の正解はとしました。●NTT DIRECTORY に掲載 (00/1/24)
99/12/31
NO20
新年おめでとうございます。たくさんの方から励ましのメイルをいただきました。私のホームページの目的を理解していただいている方もおられました。留学生の方から、「英文も添えてくれるとうれしいのですが」というメイルをいただきました。私は英文も書けますが、母国語としていないので、微妙なニュアンスの表現を考えると躊躇してしまいます。それにページの更新時間を週2時間以内としているので、現在のところ考えておりません。ご了承ください。●膀胱炎の治療や予防という観点から、水分をとる意味を考えてみましょう。膀胱の感染防御から見ると意外な事実に気付かれたのではないかと思います。
補足しておきますと、腎機能は年齢相当に正常で、膀胱や尿道にも器質的・機能的な病変が無いという条件で記載しております。
図や表を添えればもっと分かりやすいとは思うのですが、間に合いませんでした。
99/12/17
NO18
NO19
●あまり聞き慣れないクニリングスの質問が多数ありましたので取り上げました。特に医学などの科学分野では正確な用語を用いなければいけません。外国語に翻訳したときに理解されないのではお話になりません。
ちなみに日本では環境ホルモンだからkankyo horumon やenvironment hormoneを世界共通語にしようとしても無理な話。Tempura, Sukiyaki, Judo などのように日本発祥のものと混同してはいけません。●問題2、7、12 で、性感染症は咽頭にも感染し、それがフェラチオやクニリングスでピンポン感染をしてゆくと説明しました。一部の方からどうも理解しがたいという指摘を受けましたので、観点を変えて出題してみました。
99/12/10
NO17
イルには可能な限りご返事を差し上げております。ご意見・ご質問は問題作成の参考にさせて頂いております。
多岐にわたるご意見がありますので、すぐ問題として取り上げることはできません。しかし、ご意見・ご質問の内容は把握しております。●「宮城県性感染症研究会」の活動状況をホームページに掲載。●精液内に血液が混入している状態(血精液症)を取り上げました。若い年齢層と高齢者では当然対応も異なってきます。
治療を続けるかどうかは別問題として、一度私ども泌尿器科の専門医に相談して、出血の原因だけは確認しましょう。
99/12/03
NO16
ページを公開してから約一ヶ月になります。内容的にはかなり難解な点もあると思いますが、じっくり読んでください。
毎週金曜日の朝更新するようにしております。しかし、都合によって更新できない週があるかもしれません。●今回は男性の精液中の精子数について触れてみました。経時的に精液を調べてみると毎回かなり異なっていることに気付きます。
精子数を表現する場合、精子濃度(1ccまたは1ml中に何個の精子が存在するか)が一般的です。精子濃度は変動が激しいので精子濃度に精液量をかけた総精子数のほうがより正確に反映する場合もあります。しかし総精子数でも変動はかなりみられます。▲精子数といえば、内分泌かく乱化学物質(ホルモンではないが日本では環境ホルモンと呼ばれているによって精子数が減少していると、一時期マスコミで報道されました。
マスコミの欠点は一時的な報道で世間を注目させますが、その結末ををフォローしないことです。内分泌かく乱化学物質の働きの一つとして、女性ホルモンのような作用があることから、精子数にも影響を及ぼすのではないかという発想を持つ気持ちは理解できます。私はこのような報道あった場合、「本当にそうなのか」とまず考えることにしています。
99/11/12
NO11
NO10
勃起不全(勃起障害)の原因になりうる薬剤。気がついていない方が多いので取り上げました。
勃起不全の原因の一つとして、薬剤の影響が必ず取り上げられます。そして、この記載が次の文書、またその孫文書へと引き継がれているわけです。しかし、実際にどのような薬剤が原因になるのかというとあまり知られていないようです。表にして列記した薬剤は、発売後かなり年月の経過したものです。最近も新薬がどんどんでています。新薬にもこのような影響があり得るということも理解してください。その意味から、あえて疾患別分類はしておりません。勘の良い方は、どのような薬剤が候補になるのかは予想できると思います。
原疾患の治療を優先しなければならない場合は難しい問題です。ただ長期間の服用が問題になるので、解決方法は見つけてもらえるかもしれません。●女性に対するバイアグラの効果は?
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