男性更年期障害の時期をうまく乗り切るには | ||||||||||
男性更年期障害
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◆ストレス引き金に 宮城県内のある五十代の男性は数年前、体がとてもだるく仕事に集中できないと感じるようになった。気持ちが沈み、不安で夜眠れない日が続いた。朝起きられず職場を欠勤することが多くなり、休職に追い込まれた。 ◆生活習慣指導も柱 診断は血液検査で男性ホルモン(テストステロン)の濃度を調べるとともに、患者とじっくりと対話し症状の特徴を把握する。血中の男性ホルモンが一定値以下の人には、二週間か四週間に一回、一定量のホルモンを注射で補充する。生活習慣の改善指導も大きな柱で、リラックスできる環境づくりや心構え、適度な運動などを助言する。 |
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男性更年期(LOH症候群)の診断項目
@性欲の低下がある (米国モーレイ氏の理論に基づく) |
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この記事は平成17年(2005年)9月5日付けの河北新報「くらし」面に掲載されたものです。編集局生活文化部記者F氏から取材を受けました。記事はF氏によるものです。 | ||||||||||
最近、体がだるく、なんとなくやる気が起きません。健康には特に問題ないのですが。男性にも更年期障害があるそうですが。(40代・男性) |
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(河北新報掲載原稿) | ||||||||||
◆最近、男性の更年期障害が注目されるようになってきました。 更年期障害女性特有の病気ではありません。男性も更年期障害(LOH症候群)に悩んでいます。男性では女性のような閉経を認めないことや個人差が大きいことなどが症状を分かりにくくしています。 女性の場合は性ホルモンの減少が急激で身体的な影響が著しいのですが、ストレス性の心身症的な反応は比較的軽いようです。ところが、男性では性ホルモンは徐々に減少していくので、その影響も比較的軽い場合が多いのですが、中年男性の社会生活条件なども加わって、ストレスによる心身症的反応が顕著になっていることが多いようです。 男性更年期障害には男性ホルモンの減少からくる生理的な変調と、心身症的反応による不定愁訴があります。この二つは車の両輪の軸のようにお互いに関連しているので厳密に分類することは難しいのですが、生理的変調による症状としては「精力の減退」が主なものになります。不定愁訴としては「不安、不眠、あせりなどの精神症状」、「気力の低下」、「全身倦怠感」などがあります。質問にある「体がだるく、なんとなくやる気が起きません」もこの中に入ります。 このような症状は40代半ばから出てくることが多いのですが、最近ではもっと低年齢化してきているようです。 しかし、ぼっ起力の低下や不定愁訴などを感じたら、「更年期障害によるもの」と安易に決めつけないで、詳しい検査を受けることが大切です。ぼっ起力低下の原因を改善させることで、男性機能を回復させることはそれ程難しいことではありません。男性更年期障害の原因には男性ホルモンの減少が根底にありますので、初老期うつ病との鑑別も重要です。 ◆診断は。 男性の性機能は男性ホルモンの影響を受けています。男性ホルモンには数種類ありますが、その基本はテストステロンと呼ばれるものです。その中で、特に生物学的活性のあるフリーテストステロン(遊離テストステロン)が重要です。フリーテストステロンは思春期に上昇し、20歳前後でピークに達した後、徐々に下降しますが、その下降には個人によってかなりのバラツキがあります。高いレベルをかなり長期間保持している人から、早くから下降する人まで、著しい差が認められます。閉経期を境に女性ホルモンが一様に下降する女性のパターンとはかなり異なるわけです。症状のところで述べた気力の低下などの不定愁訴や精力の減退が「更年期障害によるもの」かもしれないと自覚した男性では、フリーテストステロンのレベルが診断の決め手になります。 ◆アドバイスをお願いします。 多くの男性更年期障害(LOH症候群)は適切な治療で改善するものです。ところが薬の副作用で更年期障害に似た症状になる場合もあります。そこで患者さんが私たち泌尿器科などを受診した場合は、現在服用している薬なども正確に申告していただく必要があるわけです。 本日の担当=仙台市医師会・木村正一医師 |
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