勃起障害で一度バイアグラを使用した男性はそれ以降ずっとバイアグラを使用しなければならなくなる?
バイアグラを内服しなければ将来にわたって勃起障害の改善を期待できない人がいることも事実です。しかし私の患者さんの中で少なくとも3割の患者さんは数ヶ月以内の内服でそれ以降は必ずしもバイアグラを服用しなくてもよい状態にまで改善しております。
勃起が成立するためには陰茎海綿体の平滑筋が弛緩し、陰茎深動脈からの血流が増えることが必要条件となります。陰茎海綿体が弛緩するためには一酸化窒素(NO)が必要になるわけです。
陰茎海綿体の平滑筋細胞内に拡散したNOがグアニル酸シクラーゼを活性化させ、GTPからc(cyclic)GMPを生成しますが、このcGMPが陰茎海綿体の平滑筋細胞内に蓄積すると、陰茎海綿体の平滑筋が弛緩して、動静脈の血流のバランスから勃起現象が起こるわけです。このcGMPは活性のない5´-GMP(5 univalent GMP)に代謝されますが、バイアグラはこのときに働く酵素、フォスフォジエステラーゼタイプ5を選択的に阻害するので、結果的に陰茎海綿体内のcGMP濃度を維持するので、勃起も持続するわけです。
基本的にはバイアグラの作用は上記の様な場合に有効なのですが、勃起現象はそれ以前の微妙な原因で不十分な勃起現象になってしまう方(一部の心因性勃起障害も含む)も多いわけです。このような方はバイアグラを使用することによって改善していくと、それ以降は必ずしも必要でなくなるわけです。
バイアグラを継続して使用していく必要はないという意味で×にしたわけです。
バイアグラ(201005)
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