性感染症の感染を防ぐために、あらかじめ治療薬を内服することは?
●最近、泌尿器科の診療をしていて困った問題に直面しております。他の人に処方された抗菌剤を譲り受けるという問題です。
クラミジアなどの性感染症の治療のために投与された薬剤を他人からもらって、性行為の直前に内服するというケースです。そのような薬剤を内服したにもかかわらず尿路感染症になって受診したという患者さんを散見します。
●無駄な抗菌剤の使用は耐性菌の増加に結びつきます。このような行為を繰り返していると一時的には効果を発揮することもあるでしょうが、その後の感染を考えると恐ろしい事態になりかねません。性感染症以外の感染症になった場合、抗菌剤を乱用していると目的とする細菌の薬剤感受性が極端に落ちてきます。薬剤の効果が悪くなるというわけです。
個人レベルでは治癒しにくくなっても、各個人の責任として仕方のないことですが、不特定多数の方に感染の可能性がある性感染症全体のことを考えると大きな問題です。現在使用されている治療薬の有効性を下げてしまう可能性を秘めております。
一部で流行っているようなので敢えて取り上げました。絶対やめるべきです。
性感染症(301015)
|