HELLO DOCTOR 健康アドバイス  仙台市医師会 2001 秋の号

尿のはなし

 血尿には肉眼で血尿と分かる場合(肉眼的血尿)と顕微鏡でしか分からない場合(顕微鏡的血尿)があります。肉眼的血尿は尿の色から何となく気持ちが悪いので泌尿器科などを受診して検査を受けると思います。ここでは肉眼では分からない血尿について触れます。
 顕微鏡的血尿は日常生活では分からないので、ほとんどの場合は健康診断などで指摘されるわけです。皆さんの中には『泌尿器科で詳しく調べてもらって下さい』といわれた方も多いと思います。尿の中に含まれる血液は腎臓から出る場合と尿の流れに沿って尿管や膀胱、尿道から出る場合があります。この腎臓から尿道までを尿路といいます。
 血尿の原因はいろいろありますが、泌尿器科ではその原因を探ることになります。最も注意を払わなければならないのは、前に述べた尿路の出血部位が悪性腫瘍(がん)と関連性がないかどうかという点です。健康診断で血尿を指摘された方を検査すると、多くはありませんが腎臓や膀胱のがんを見つけることがあります。このような場合は早期発見ですので予後もよいということになります。
 血尿の原因によっては経過を観察する場合もあります。皆さんの中には三ヶ月後あるいは半年後にもう一度尿の検査をしてみましょうといわれた方もいると思います。そのような場合、無駄を省くためにも女性では生理の時期を避けて受診するようにして下さい。腎炎などの腎臓病が考えられる場合は、内科や小児科などを紹介する場合もあります。
 最後に一つだけ心に留めておいていただきたいことがあります。これまで血尿のなかった方が血尿を指摘された場合は、尿路に何らかの病変が起こっていることを意味します。ところがいつも軽度の血尿を指摘されている場合、「いつも血尿があるのだから」と放置している方がいます。確率的には低いのですが、がんの発見を遅らせてしまう危険性があります。各医療機関では患者さんのレントゲンや超音波検査などの診療データを保管しています。たまにはそれらのデータとの比較検討もがんの早期発見に役立つということを忘れないで下さい。

木村クリニック泌尿器科院長  木村正一