女性と同じように男性にも更年期障害はある?
最近十数名の中高年の男性の方から相談されました。社会的にも会社などで指導的立場にある方々である。身体的には病気も指摘されず健康であるが、意欲が低下したり、性欲が低下し十分な勃起もみられなくなったという深刻なものである。種々の検査の結果、いわゆる「男性更年期障害」であった。この考え方は比較的新しいく、以前は年のせいだとあきらめていたものだと思う。
この年齢層の方々は他の疾患でいろんな薬剤を使用している場合があります。薬剤の中にはその副作用として発現することもあるので、チェックしておくことも大切です。
男性更年期障害の特徴として、1)性欲の低下と睡眠時にみられる勃起現象の減少、2)筋力の低下とそれに伴う体力の低下、3)骨の変化、4)臓器内脂肪の増加、などをあげることができます。このような変化は四十歳後半から五十歳半ばにかけてみられるようになります。もちろんこれらのな変化が現れる年齢や変化の程度には個人差があります。
女性の更年期障害は、加齢による生理的変化の他に、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な低下が特徴になります。男性では、男性ホルモンであるテストステロンの低下は女性ほど急激ではありません。
上で述べた男性更年期障害の特徴が男性ホルモンの低下が原因である場合は、男性ホルモンの補充療法が、性欲や勃起力の改善、筋力の改善などに有効です。これは作用機序の違いから当然のことですが、今話題になっているバイアグラとはまったく異なります。(問題13を参照)
男性ホルモン補充療法で留意しておかなければならないのは前立腺の癌性変化ですが、泌尿器科医などの専門医の管理下で注意深く行えば問題ありません。
男性更年期障害(205001)
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